めまい
めまい

めまいには色々な種類があります。めまいの種類は大きく3つに分けられます。ぐるぐると目が回っている感じのめまい(回転性めまい)と体がフワフワとしていて浮いている感じのめまい(浮動性めまい)と立ち上がるとクラクラして、目の前が暗くなったり、気を失ったりするめまいに分けられます。それぞれは症状が異なり主な原因も異なります。その原因は大きく3つに分類することができます。
1つ目は耳の病気が原因のめまい(末梢性めまい)で2つ目が脳の病気が原因のめまい(中枢性めまい)で3つ目が循環障害や内科的要因からくるめまいです。まずは、診察により患者様のめまいがどういっためまいなのかを見極める必要があります。特に中枢性めまいが疑われる場合はMRI検査の紹介や専門の医療施設へ紹介いたします。
めまいを起こすと脳の病気かもしれないと思うことが多いですが、実は耳の病気のことが多いです。内耳に障害が生じると目が回る、天井が回って見える、壁が動いているように見える、体が傾くといった回転性のぐるぐるとしためまい(回転性めまい)が起こることがあり、耳鳴り、難聴、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。頭の動きで強いめまいが生じることもあります。
めまいの特徴として以下のような症状があります。
良性発作性頭位変換性めまい症は突然起きるぐるぐると回るめまいで、数秒から数十秒で治まります。その後、頭を動かした際(寝返り、起き上がる、顔を洗う)に再度めまいが出てきます。めまいで受診される方の多くがこの病気で、20~40%を占めるといわれています。吐き気や胃のむかつきを感じることがありますが、難聴や耳鳴りなどの症状は出現しません。
多くの場合は内耳に存在する耳石が何らかの理由ではがれ落ち、それが半規管に入り込み動くことで刺激され、めまいが起きます。耳石がこぼれる明確な原因は不明ですが、更年期以後の女性に多いことから、骨粗しょう症によって耳石がはがれやすくなると考えられています。また、外傷や同じ姿勢で寝ていることも発症の原因といわれています。再発することがありますので、その場合は骨粗しょう症のチェックや寝る姿勢の調整をおすすめします。
治療は浮遊耳石置換法(エプリー法、グッフォニ法)や運動療法を行います。良性発作性頭位めまい症にはタイプと左右の別があり、診察所見が軽い場合は判断が難しく、浮遊耳石置換法が適さないことが多くあります。運動療法はどのタイプにも行うことが出来ます。
メニエール病は突然のぐるぐる回るめまいと同じ時期に耳詰まり感と耳鳴りが起きます。めまいは10分から数時間続きます。診断基準にもある、繰り返すめまいと難聴というのが特徴で、最初のめまいで診断がつくことがありません。
内耳にリンパ液がたまること(内リンパ水腫)によって生じる病気で、30〜50歳代で発症することが多く、聴力はめまいの前後に悪化し、めまいが治ると改善しますが、発作を繰り返すにつれて悪化することもあります。ストレスや疲れがたまった時に再発を繰り返しやすく、体調管理や有酸素運動が重要です。
治療はリンパ液のたまりをとる水薬や漢方を内服します。
前庭神経炎は突然に激しいぐるぐる回るめまいを感じ、動けない状態となります。強い吐き気が出やすく、嘔吐を繰り返すことも多いです。めまいは数日から1カ月程度続きます。特効薬がないため、めまい止めと吐き気止めを内服しながら安静に過ごすことで、めまいが徐々に落ち着いていきます。
めまいがあるため大変ですが、体を動かした方が改善することが知られています。食事や薬が飲めない状況が続く場合は体調管理のために入院することがあります。
前庭性片頭痛は繰り返すめまいと頭痛が特徴で、めまいは5分から数十時間と幅があります。めまいのタイプはぐるぐる回るめまいとフワフワするめまいと両方あります。耳鳴や難聴はありませんが、音や光によってひどくなることがあります。めまいが起きた時に必ず頭痛があるわけではありません。
治療はめまいの発作時には片頭痛治療薬を内服し、長期的には片頭痛予防薬を内服します。
強いめまい(例えば良性発作性頭位めまい症)の後にフワフワするめまいが続くようになります。1日中めまいが続いていたり、そうでないこともありますが、3カ月以上毎日めまいを感じます。
立っていたり歩いたりする際、乗り物に乗っている際、何かを見ると、めまいがひどく感じます。治療は内服治療を行います。
小脳梗塞や脳幹部梗塞などの脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などが発症すると脳の機能が一部失われます。平衡感覚をつかさどる部分が障害されるとめまいが出現します。脳の病気の場合は体がフワフワ浮いている感じがする、真っ直ぐに歩けない、姿勢が保てないといった浮動性めまいが出現します。
めまいの他に呂律が回らない、顔の一部がまひしている、物が二重に見える、手足が動かない、手足の運動が粗雑になる、意識が悪くなる等の症状が同時に出現することが多いです。こういった症状が出現した場合は危険な状態である可能性があるので、なるべく早めに脳神経内科や脳神経外科に受診しましょう。
急激な血圧の変動で脳への血液量が不足することで起こる循環器障害、疲れやストレスなどによる自律神経の乱れによって起こるめまいもあります。主な疾患として下記のような疾患でめまいを起こすことがあります。必要に応じて心電図や採血検査を施行し全身状態を把握する必要性もあります。
また、下記のような要因がめまいの原因となることもあります。当院で対応が難しい場合は、対象となる診療科に紹介いたします。
めまいの方を数多く診ていると、1つのめまいの病気は治っているのに、めまいの症状が続いている方を診察することがあります。例えば良性発作性頭位めまい症とメニエール病といったように。この例えは実はめまいの専門家にはよく知られているものですが、めまいの原因が数多くあります。そのため、もし治ったといわれたけれど、まだめまいがある、とお悩みの方は気軽にご相談ください。
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